もうアルバイト3年目ですよ。おかげ様で今まで欲しくても手に入らなかった7、80年代のミニフィグが続々と集まってきました。
ディスプレイするならちゃんと製造された年代が同じ頭、胴、手、足で揃えたい!というこだわりがありまして、プリントが無く製造年代の判別がつかないミニフィグパーツは、年代別の金型成形の違いを特定する必要がありました。
という訳でミニフィグの金型についてのムダ知識をまとめたので共有します。
ミニフィグの基礎中の基礎から、自分調べのどうでもいい情報まで、自称どこよりも詳しいミニフィグ好きのための記事となっております(知っていて役に立つことはあまりございません)
⚠️注意⚠️
私自身が80年代ミニフィグ好きのため、知識がややオールドフィグに偏ります。また、大半が自分の手持ちのフィグで調べて得た情報のため、もし誤りなどございましたらコメント欄またはTwitterのリプ、DM等でご指摘くださると嬉しいです。
ところどころレゴユーザーにしか伝わらない用語があります。なるべく補足説明をしていますが、分からない箇所があればこちらもコメントください。
ミニフィグ以前の形
現在のミニフィグの姿になったのが1978年。それ以前のミニフィグがどんなものだったのかご存じでしょうか。
1974年以前の人間は専用のパーツが使われておらず、通常のシステムブロックで表現されていました。1974年、専用パーツを使ったフィグが登場します。Maxifigureと呼ばれる現在よりもスケールの大きなもの。

※₁homemakerや※₂Building Set with peopleに付属。ホームメーカーフィグと言えばある程度のAFOLには通じるでしょう。私はそう呼んでます。「200ファミリー・セット」は特に人気なセットなので覚えておこう。
頭部と髪の毛・帽子が専用パーツで着脱可。肩と肘が可動し手首はボールジョイントとなっております。
ただこちらは胴から下が基本ブロックでできていて、ミニフィグとして扱われることが少ないためここでは番外編とします。
※₁ホームメーカーシリーズ(1971〜82。フィグ付属は74年から)https://brickset.com/sets/theme-Home maker
日本ではBuilding Set with peopleとまとめてレゴ・ファミリーというシリーズ名で発売。
※₂ Building Set with people(1974〜78)https://brickset.com/sets/theme-Building-Set-with-People
ミニフィグが登場するまで展開されていたフィグがメインのシリーズ。ホームメーカーが家族テーマのシリーズなのに対し、こちらはその他働く人や民族など。
手足の可動しないミニフィグがあった
1975年には現在のミニフィグの前身となるモデルが登場します。※₃Brickset、Bricklinkでは"LEGOLAND"に分類されていますが、ここではプロトフィグと呼びます。

現フィグと大きく違うのはトルソーとレッグ。ヘッドは現在と同じですが、そこから下は腕がなく脚が可動しません。プロトフィグの時点では顔のプリントはありませんでした。

トルソー、レッグともにシステム規格の※₄スタッドで、トルソーの中もX字の隆起線も無く空洞のため、現フィグに比べて外れやすいのが特徴。その後さまざまなプロトタイプが作られ現在のミニフィグの形となります(非売品のプロトタイプはレゴハウスで見られるっぽい)
※₃Brickset→ https://brickset.com/
Bricklink→ https://www.bricklink.com/v2/main.page 通称ブリリン。
※₄スタッド…ブロックの円柱形の突起部分。ポッチとも言う
イエンス・二ゴール・クヌーセン
ミニフィグを語る上で重要な御方なのでついでに覚えておきましょう。
彼はミニフィグをデザインした人、つまりミニフィグの生みの親です。クラスペを担当していたのも彼です。
TLGの人物は彼の他に創業者一族とジェイミー・ベラード、ダニエル・オーガスト・クレンツは今後当ブログで度々登場するかと思います。
ヘッドは4回アップデートされている
こうして1978年以降ほとんど姿の変わっていないミニフィグですが、細かな金型変更は行われています。

ヘッド上部のスタッドが何回かアップデートしています。
リリース年を表記しましたが、レゴ社は金型変更を行ってもしばらくは古いものを使いきるので、リリース終了年ははっきりと明記できません。なのでリリース開始年のみ記載しました。同じ時期に製造した同じパーツでも異なる金型が混同していたりします。
Bricklinkにもこれら金型のリリース年は明記されていますが、正しくありません。
例えば3626cは2008年からと明記されていますが、それは3626cが入っていた1番古いセットのリリース年です。その2008年に出た製品が2013年以降も廃盤にならず製造され続け、その間に金型変更がされたため、同じセットでも製造年によって違う金型が入っています。2008年の時点では3626cはまだセットに封入されていません。私が知っているセットだと例えば2008年発売のUCSデススターで、廃盤は2015年。

こちらのミニフィグはセット自体の製造期間が長かったのもあり、生産時期によって3626bのものと3626cのものがあります。スターウォーズは金型変更と同時期にフェイスプリントの大幅なデザイン変更も行われた珍しい例なので、同じセットでも製造年によって違う顔が封入されています(詳しくはプリント編で紹介します)
先程の画像やこの後紹介する画像に記載したリリース年は、手持ちのフィグとセットのリリース年を照らし合わせて導き出したものです。私がミニフィグディスプレイをレイアウトする際は、1番信憑性の高い自分の手持ちで特定したものを基準にしています。




こちらほぼすべてのレゴの製品情報が掲載されていまして、私が小学生の頃から10年以上愛用している愛読書です。
発売年から製造終了年までもちゃんと記載されているので、金型年特定に大変優れた資料となっております。おすすめです。
話を戻します。最初期のヘッドは主に80年代に流通していた3626a。一般的なシステムブロックと同じようなスタッドです。90年代に入ってからはスタッドに3.18mmバーを差し込めるくぼみができ、3箇所に穴が空いたデザインに変わりました。穴が空いているのは誤飲の際窒息するのを防ぐためだとか。
現在使われている金型は3626cと28621。3626cが一般的に知られている金型ですが、28621は見たことない人も多いのではないでしょうか。
28621は2020年からクリアパーツに使用されてきていました。2023年にはディズニー100のコレクタブルミニフィギュア以降クリアパーツ以外のヘッドにも使用されています。NewElementaryには2018年からあると書かれていましたが、自分の手持ちやBricklinkでは2020年以前の28621は確認できませんでしたので、ここでは2020年からと明記します。この両端に穴を開けたデザインは同様に553(2×2ドーム型ラウンドブロック)などにも変更がされています。
現在使われている3626cには窒息を防ぐ穴が空いていません。なぜなくなってしまったのか。少なくとも3つの理由があると思われます。
1.穴のサイズが気道を確保するには不十分であったから
2.穴の空いている向きに喉に詰まるとは限らないから
3.刻印を入れ、偽物との差別化を図るため
1←公式からの説明は確認できなかったので明確な真偽は不明です。
2←こちらも明確な真偽は不明ですが、同じ通気孔を持つものとしてぺンキャップがありますが、あれは縦長なので気管と穴が同じ向きになります。しかしミニフィグヘッドは丸型なので穴の向きが気管と同じ向きになるとは限りませんね。
3←当時のデザイナーは金型変更についてこう説明しています。
「LEGOの最近の成功により、多くの競合企業やクローンブランドが誕生しました。そのため、レゴはロゴをどこでも目立つようにすること、特にロゴが見えないレゴの要素に強く焦点を当てています。ミニフィグの頭はそのような場所の一つでした。目に見える商標もなく、機能特許やデザイン特許はとっくに失効していたので、競合他社が全く同じミニフィグヘッドを作れない理由はありませんでした。」(Google翻訳した)
3626aには刻印がありますが3626bは刻印がありません。年々本物と判別をつけるのが難しくなっていたため、偽物のミニフィグとの差別化を図る必要がありました。そしてバーを差し込める機能を保持した刻印ありの現ヘッドが作られました。
28621でふたたび穴が開けられるようになったのはなぜなんでしょうねー?
3626aには角ばったタイプが存在する
実は初期の3626aにはさらに2種類のヘッドデザインが存在します。


このような角ばったミニフィグヘッドが存在します(写真右)
こちらの角ばりヘッドは第一世代(3626a)のバー穴なしヘッドの時代にのみ製造されています。我が家には20個以上の角ばりヘッドがありますが、全てバー穴無しなので間違いないでしょう。
初期のヘッドではありますが、
3626a時代末期にリリースされた※₅南海の勇者のヘッドにも多く確認されているので、最初期に作られたものではなく、3626a 時代末期に製造されていたことは分かっています。初期の南海の勇者のフィグを集めていると高確率で角ばりヘッドが手に入りますので。3626aでシンプルなニコちゃんフェイスではないもののほとんどは、1989年に登場した南海の勇者シリーズの海賊と海兵のフェイス6種類。


1992年登場のそばかすちゃんとウッドハウス提督のヘッドにもわずかに3626aが存在するようです。ちなみに3626bのデビューが1990年。
先程述べたように、レゴ社は製造が終了した金型パーツも使いきるので、製造自体は90年頃に終了していて、余った分が92年まで販売され続けていたというのが背景にあるかと思われます。

手持ちの南海フィグでは5種類確認できました。
1989年は初めてミニフィグの顔にバリエーションが生まれた重要な年なので覚えておきましょう。ロジャー船長はその代表としてよく書籍でも紹介されます。
※₅南海の勇者シリーズ(1989〜97)
初代海賊シリーズで、レゴの黄金期を支えたテーマの一つ。
では何故このような角ばったヘッドが製造されたのか。ネットでも話題にすら挙がらないし、オフ会でも角ばりヘッドの存在すら誰も知らなかったので、こちらも自分で考察するしかありませんでした。
私はこの角ばりヘッドが南海の勇者登場時に多いということと、その年にフェイスバリエーションが増えたということに焦点を当てて考えた結果、丸みを帯びたヘッドにひげや髪などをプリントしやすくするために製造されたものなのではという結論に至りました。この角ばりに根拠があるとしたらそうとしか考えられません。

とか考察してはみたものの、1個だけ顎部は丸くて頭頂部が角ばってるものもありました(写真中央) もー分からん!笑
トルソーは3回アップデートされている

大きく3回のアップデートがされています。
ブリリンではヘッド、トルソー、レッグの内パーツ番号が分けられているのはヘッドのみです。なのでトルソーは全て937c00と統一されています。なので初期タイプが欲しい時なんかはほぼ運任せになります。70年代のステッカータイプのトルソーは高確率で初期タイプが手に入ります。
製造年はこちらも手持ちのフィグで導き出したものなので、ひょっとしたら間違ってるかもしれません。
この3回のアップデートにより大きく改善されたのが、しっかり接続できるようになったことと割れにくくなったことです。
第一世代のトルソーの中はただの空洞であるのに対し、第二世代では4方向のくさびがデザインされました。これにより腰が傾くことなく垂直に接続できます。最新の金型デザインではより複雑化していますね。
また、表面が薄くなり割れにくくなりました。薄いほうが割れやすいのでは?と思われるでしょうが、脚の接続部と干渉しなくなるためパーツに負荷がかかりません。これは通常のシステムブロックと同様の仕組みですね。くさびのない昔のトルソーは脚の接続部との負荷でよく側面にヒビが入りました。
肩が角ばったトルソーがある
トルソーにも異なる形状を持つものが存在します。
こちら同じ反乱軍パイロットのトルソーですが、肩をよく見てみると右の方がやけに角ばっています。また角ばり金型かよ!

分かりにくいのでアップで比較。実際に触ってみるとより角ばっているのがわかるのですが…

手持ちの角ばりトルソーをかき集めてみましたが、ちゃんと探したら50個くらいはありそう。この時点でいつの時代に多かったかがよくわかりますねー。

手持ちで1番古いのがグリード、新しいのがファラオズクエストのファラオでした。
さらに情報を集めるために書籍に載ってる写真から古いのを探してみました。


ありました。ロックハート先生は2002年発売で廃盤が2003年。よって2003年ごろ出始め、2011年ごろまで使用されていた金型だということが分かります。
この角ばりトルソーが角ばりヘッドと大きく違うのは、ミニフィグが登場してから20年以上経っているということ。もう確立しているはずのミニフィグデザインになぜ変更を加える必要があったのか…
脚は3回アップデートされている
脚に関してはもはや高難度の間違い探しですが、こちらも一応3種類あります。
第二世代の脚のリリース年は、94年までプリントされたものが存在しないので特定しようがありませんでした(購入した年を覚えててなおかつそのままの状態で保存していたら話は別ですが)
トルソーと同じく青黒スペースマン、クルセイダーが登場した1984年からだろうなと大方予想はついてます。
脚はそれぞれ見比べる場所が違います。第一世代と第二世代は側面、第二世代と第三世代は足裏と股関節を見ます。
今ほとんどの家庭にあるミニフィグは脚側面にパーティングライン(バリ)があります。しかし70年代の最初期のミニフィグにはパーティングラインがありません。

金型変更の時期にはこのようなLEGO刻印ありと無しのハーフレッグも多く見られます。こちらは現在のロゴデザインと若干違うのと、数字も旧型と同じようにシンプルなので、私は旧型の方に分類すべきだと判断しました。なので1枚目の写真で記した2010というのは両足が現在のロゴデザインになった年です。先程も述べましたが、レゴ社は古い金型分も使いきるため2010年以降も旧型は混在しています。
また現在の金型は昔に比べ足裏の厚みがわずかに薄くなり、スタッドとの負荷が少なく割れにくくなっています。
手は成形色の違いで時代判別できる
現在のものよりも半透明なのは全ての色に共通しています。赤、白は若干暗みがかっており、黄色はレモン色っぽいものとオレンジがかったものがあります。

左2つが旧タイプ(レモン色)、右2つが旧タイプ(オレンジ)、真ん中が80年代中頃から現在のタイプです。
手以外にも同じ素材で新旧判別できるパーツの例として挙げられるのがエアタンクです。
調べてみたら海外の方で違いに気付いている方がいらっしゃいました。どうやらエアタンクの方にはグレーにも新旧あるようですね。
おそらく手やエアタンクはABSではなくPE。80年代中頃にPE製パーツ全体の成形色がアップデートされたとおもわれます。
ついでにレゴパーツの素材の種類についても一部ざっくりお話していきましょう。他素材の簡単な説明は公式ホームページを見てね(英語)→https://www.lego.com/en-sk/sustainability/product-safety/materials?locale=en-sk
ABS
1962年から大半のブロックはこれ。AFOLにはおなじみの素材。硬くて耐久性が高い。
PE
葉っぱ系やミニフィグアクセサリーなど。2018年から植物由来のバイオPEが使われるように。柔らかい。
PC
昔はクリアパーツに使われていたが、現在はヒンジやミクセルジョイントに使われている。接着力が高く、1×1コーンにクリアの4Lバーを差し込むと抜けなくなるのはそのせいだったりする。
MABS
PCに替わり2018年頃からクリアパーツに使用。ABSほどではないが耐久性に優れる。
PP
バイオニクルでおなじみ。ミニフィグの武器や小道具にもよく使われていて、折り曲げれる本など曲げても丈夫くて柔らかいのが特徴。PaBのカップもこの素材。
PA
非常に耐久性に優れ、ギアやコネクタに使われる。ちなみに42929や44865などの新型のピンつきブロックはABSとPAの2色成形。
POM
アクスルやピンなど。摩擦が少ないので差し込んでも抜けやすい。あと良くしなるので折れにくい。
ざっくりとよく使われている素材について紹介しました。私もこの7種ぐらいしか見分けられないのですが、ホントはまだまだあります。
少し長くなり過ぎたので後編に続きます↓









コメント
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DeRa
が
しました