文章多めですが許してください。




制作期間1ヶ月。今回は可動を考えなくて良かったので、あっという間に完成しました。ただ構想期間が10ヶ月近くとやや長め。
芸術鑑賞が好きでして、特に狩野派や円山派、ルネサンス芸術、彫刻など歴史絵画の緻密で精巧な技術で生み出された作品が好みです。今回はその中から孔雀図をレゴで立体化しました。
昨年の10、11月に愛知県美術館で開催された相国寺展に行ってきまして、そこで観た円山応挙の「牡丹孔雀図」がすごく良かったので、それに影響された勢いで作ったのが本作になります。
構想
11月ごろはちょうどトラが完成してゴジラの制作を再開したり、正月作品を作り始めようとしていた時期で、それらと並行して孔雀の構想も進めていました。
・構図
まず決めないといけなかったのは、孔雀図においてどの作品の立ち姿を参考にするかでした。
最初の候補が円山応挙の牡丹孔雀図。重要文化財で、実際に生で観た作品なのでこれを参考にしたいと思ってはいました。しかし、尾羽を降ろしているため結構な岩の高さが必要になり、コストがえらいことになるなと思い断念。
次に目をつけたのが長沢芦雪の牡丹孔雀図。芦雪は応挙の弟子で、個人的推し絵師です。芦雪の作品はポーズなどにダイナミックさがあるのでとても立体に向いていると思いましたが、こちらも崖にパーツコストがかかるので断念。
最終的に採用されたのが岸駒の孔雀図。岸駒は岸派の創始者であり、トラ制作の時によく調べました。図書館で資料探しをしていたときにビビっときたのが「円山応挙から近代京都画壇へ」という本に載っていた岸駒の孔雀図。こちらは羽が横になびいていて、岩の高さを必要としなくても雄大さを表現できる作品でした。
・尾羽表現
孔雀といえば!な尾羽は今作でめちゃくちゃ大事な部分になってきます。
今回再現したい絵画技法の一つに「裏彩色」がありました。裏彩色とは絹の裏に彩色を施すことで表面からは透明感や奥行きを表現できる技法です。NHKの歴史探偵で紹介されていたんですが、応挙や若冲の描く孔雀図には裏彩色が用いられていて、実際に透明感や奥行きを感じます。
・細い
・柔らかい
・軽い
・透明感
・綺麗な色
これらすべての条件を揃えた最適な答えは、構想時点ですでに決まっていました。エターナルズの羽パーツです。

めっちゃシラスみたいなパーツですが、こちらサテントランスブラウンという珍しい色で、光に当たると光沢のある綺麗な色をします。

こちらはフレンズの41737にのみ入っているサテントランスブライトグリーンver。
この2色を組み合わせればベストな再現が可能であるという確信はありましたが、昨年の時点では持っていなかったので半分賭けでした。
尾羽の組み方もこの時すでに大方決まっていましたが、それは後ほど紹介します。
・体毛表現
応挙をはじめ、この頃の孔雀は体毛1枚1枚が写実的に描かれているので、それを画風含めレゴで再現するにはどうするかを考えるのに今回1番時間を使いました。

こちらが10ヶ月ほど前に組んだ体毛の試作。
中央スタッドの2×2ラウンドを左右にずらして自然な体毛表現にしています。ただ問題なのが、プレート厚で表面が形成されるため凹凸が激しく滑らかさに欠けます。しかも下地の墨感が出せていないので、これでは孔雀図というよりかは本物の孔雀に近くなってしまいます。
尾羽表現はすぐ思いついたものの、体毛表現が中々思いつかず膠着状態でした。
マスターピースギャラリー
3月にレゴハウスでの展示が決まり、何を展示するかを報告しなければならなかったのですが、できればレゴハウス展示用に新作を作りたいと思っていました。その時点では孔雀は一ミリも作り初めておらず、まだ構想段階でしたが、自らを追い込むためにとりあえずイメージイラストを描いて送りました。

なんて適当なものを送ってんだって感じですが、興味深いね!みたいな感じでOKをもらったのでヨシ。
これで何がなんでも9月までに孔雀を完成させないといけなくなりました。
制作開始
制作を始めたのはJBFが終わった7月の半ば。
1番の課題だった体毛表現をなんとか形にしました。

組み方は複雑ですが、表面はラウンドタイルというシンプルなパーツ構成に。下地の墨感はタイル間の隙間で表現し、表面のシルエットも凹凸がなくなり滑らかな曲線になりました。
配色
孔雀を形成する上で重要なのが全体の配色です。今作は日本画の孔雀図の再現ということでカラフルさは抑え落ち着いた色合いで、かつ地味にならない絶妙なバランスが求められました。

こんな感じでパーツ発注前に孔雀の身体の色のバランスをパーツを並べて確認しました。
頭部をダークアズール、腹部をオリーブグリーンという配色にしたかったので、滑らかなグラデーションにするため間にダークターコイズ、ブライトグリーンを配置しています。

で出来上がった配色がこんな感じ。腹部のパーツ構成が変更されていますね。エターナルズの羽パーツをブリリンで購入する際に他の取り扱いパーツを見ていたら、ディロフォサウルスの下顎が200個4000円ほどで売っていて、孔雀に合うな!と思って買いました。
耐荷重・軽量化
尾羽がかなりボリューミーなのもあって、安定して立たせるには重みのある土台にする必要がありました。
そこで、たまにビルダーが重しとして使う乾電池入りのバッテリーを土台に内蔵。昔重りブロックなんてものがありましたが、この規模になると重りブロックは大して効果を成さず…
乾電池入りのバッテリーはテクニックと組み合わせたい時はテクニックのpf、puバッテリー、システムと合わせたい時はトレインバッテリーと使い分けが可能なので結構便利です。

手元にトレインバッテリーが1コしか無く重みが足りなかったので、PF以前の9Vモーターも2コ付けました。
尾羽を軽量化するためにはより少ないピース数、そしてABSではなくPEのパーツを使うのが最適です。

最終的にこのような形に。ほぼPEで固めることができたので、これ以上にない軽さの尾羽が完成しました。
孔雀の羽軸は白なのでこちらもちゃんと白ホースを軸に使っています。白ホースは神龍で大量に使ったものを再利用して大幅なコストダウンに成功。我ながら上手い!
また墨感を出す為にあえて黒クリップで接続していたりもします。


生で見るとめちゃくちゃ綺麗な色してます。まさに展示向け。
装飾
孔雀図といえば牡丹なので牡丹もつくりましたよ。


岩や木の輪郭線(日本画において鉤勒法という)をレゴで表現したかったのですが、やる気が出なくて適当になってしまいました。いずれリベンジします😑
枝は支柱の役割をしていて、すべて孔雀本体と繋がっています。支柱を露出したくない派の意地です。
使用パーツ紹介
進捗投稿時点で体毛のパーツは何かとか結構聞かれたので、イレギュラーパーツについてはブログでお答えします。

とさかはモササウルスのヒレに使われてたりしたパーツ。目周辺の模様はダースベイダーの下顎でオレンジ部分はニクル系によく使われてたコネクタ。
奥に見える大量の顔はエターナルズのクロとかいうキャラの頭。

羽根買ったセラーが大量に取り扱ってたのでついでに買いました。気持ち悪くていいね。

脚部はライトグレーのヤシの木パーツ。メカパーツとして1セットに1、2個しか入っていなかったややレアなパーツです。
制作過程



まとめいつも通り後半パーツをケチり出して中途半端な仕上がりになりました。ホントにこんなのをレゴハウスで展示しても大丈夫なのだろうか…?
まだまだ日本美術で作りたいテーマはたくさんあるので、今後増やしていく予定です。
実はトラも当初芦雪のトラを再現するつもりだったんですが、デザインが猫っぽすぎるのとリアルな可動重視にしたくてボツになったという背景があったりします。
日本画の他にもダビンチの空気遠近法やミケランジェロの彫刻なんかも近々レゴでやってみたいなぁと思っています。ではまた。
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コメント
コメント一覧 (1)
DeRa
が
しました